2012年7月13日〜22日。まずは、どう遊ぶかわからないまま１個目を積んでみました。それを「元気」と名付けてSNSに投稿。この日何気なくはじめた毎朝１つの積み木をつくる遊びが「今日の積み木。」の始まりとなりました。１２個の同じ形のパーツをブロックのように積むだけですから、最初から具体的なカタチを作ろうと意気込んでいては限界が見えるし楽しくなくなります。だから思いつくままに、イメージをそのままカタチにしていきました。

2012年7月23日〜8月1日。よく聞かれますがタイトルは作った後で考えています。できたものが何に見えるか想像してみることも楽しみの一つ。11日目の「ファスナー」は斬新だととても好評でした。逆に、バスの中を描写した13日目の「積み木前、停車」、14日目の「ケバブ（最近は縁日でもケバブ屋さん見かけますね）」はタイトルが悪かったのか人気のない回でした。僕は好きなんですけどね。当時のメモには「回を重ねるとルールが外れてグルーブが生まれる」と。遊びにはノリが大事ですよね。

2012年8月2日〜8月11日。「伝わらない前提の伝え方」というのがあります。例えば「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」みたいなもの。伝わったり伝わらなかったりすること自体を楽しんでもらうやり方です。24日目の「EXILE」30日目の「うかれぎみ」のようなタイプは、ニュアンスが伝わりやすいですが、23日目の「バンボンバンボン」は、まったく伝わりませんでした。ちなみに昔なつかしのカンフー映画の最初に出てくる制作会社のマーク（ゴールデン・ハーベスト社）がモチーフです。

2012年8月12日〜8月21日。よく「子どもの目線で」といいますが、たぶん大人は子どもにはなれません。でも「無垢」にはなれるんだと思います。31日目の「せぼね」や３４日目の「お盆」などは、積み木だからと言ってあまり子ども向けを意識すると、大人も子どもも楽しめない面白くないものになるんじゃないかなと思いながら積んでたような気がします。誰にでもわかる言葉では上手く言えませんが、意味という輪郭のピンぼけ状態を見つめています。それが僕なりの無垢なまなざしです。

2012年8月22日〜9月1日。50日目ぐらいになると、さすがにパーツ数からくるカタチの限界に直面します。一方で経験を積んだことで、これは使えるなと予感させる積み方も見えてきた時期でした。積み木メーカーのマークを何かに見立てる（41日目の「飛行機」のエンブレム表現）、斜め積み（42日目の「ヤァーッ！！」・46日目「お掃除」・49日目「ガキーン！」）は後にも多く登場します。作例が100を超えれば365日続けることもできるのではないかと思ったのはこのころでした。